土地を購入する際に注意していただきたいのが、「法地(のりち)」です。
法地を含む土地の場合、建物の有効面積が減ったり、擁壁が必要になったり、いくつかの注意点があります。
土地を購入する前に、法地についてよく理解して後悔のない土地探しをおこないましょう。
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弊社へのお問い合わせはこちら法地とはどのような土地のこと?
まずはじめに、法地とは何か基礎知識を解説します。
土地の購入を検討している方は、ぜひ知っておきたい知識の1つです。
法地(のりち)とは
法地とは、宅地として使用できない斜面部分の土地のことです。
別名、「法面(のりめん)」と呼ばれることもあります。
法地には、自然にできたものだけでなく、盛土や切土など人工的な工事によってできたものも含まれます。
山の多い郊外などで、法地を目にする機会は多いでしょう。
そのため、山付近にあるニュータウンの土地を購入する方は、法地についてよく理解しておく必要があります。
売買される土地面積に含まれる
宅地として使用できない法地ですが、売買される土地面積には含まれるので注意が必要です。
そのため、「実際に土地を見に行ったら法地が含まれていた」というケースも少なくありません。
法地に関する広告規制については、後から解説しますので合わせてチェックしておきましょう。
擁壁が必要になる
地盤のしっかりしない法地や、急斜面の法地では擁壁工事をおこなう必要があります。
法地は災害時の危険性や、地すべりの危険性が極めて高いからです。
ちなみに、切土でできた法地に比べると、盛土でできた法地のほうが地盤が弱い傾向にあります。
購入する土地に法地が含まれている場合は、必ず覚えておきましょう。
法地を含む土地は有効面積が減る!広告規制はどうなってるの?
法地のリスクは、有効面積が減ることです。
ここからは、有効面積が減る理由や対処法、法地の広告規制について解説します。
法地は土地の有効面積が減る
法地は、基本的に宅地として使用できない土地です。
そのため、法地のある土地を購入すると、建物を建てる有効面積が減ることになります。
しかし、土を追加するなどして平坦な土地にすれば建物を建てることは可能です。
この場合、工事費用によって予算を超過する可能性があるので注意しましょう。
また、工事によって地盤の強度がどうなるか、よく確認しておくことも大切です。
地盤が弱まると、災害時のリスクが高くなります。
安心して暮らしていくためにも、地盤のチェックは欠かせません。
法地を利用する建築士もいる
近年、法地を有効活用する建築士は増えています。
法地での建築は、建築士の技量を発揮する最大のチャンスでもあるからです。
「普通の住宅ではつまらない」、「個性的な住宅に住みたい」という方は、法地を有効活用することができるでしょう。
太陽光発電として有効活用することも可能
法地の場合、日当たりが良いケースが多いです。
太陽光発電に必要な傾斜がもともと備わっているので、地盤の工事が必要ありません。
太陽光発電を設置することで、法地の有効面積を増やしてみてはいかがでしょうか。
法地の広告規制とは
先ほどご説明したとおり、売買される土地面積にも法地は含まれます。
そのため、「法地で建物の有効面積を減らしたくない」という方は、土地選びの際に注意が必要です。
売買される土地に法地が含まれているかどうかは、広告を見るだけでは判断できません。
土地に法地が含まれていても、土地面積の30%以下であれば法地に関する記載をしなくても良いことになっているのです。
逆に、土地面積の30%以上が法地の場合には、広告に法地が含まれる旨と、その面積の記載が義務付けられています。
土地を購入する際は実際に現地に足を運び、法地の有無を確認するのが良いでしょう。
周辺の土地より安い場合は法地の可能性が!
検討している土地が周辺の土地より安い場合、法地が含まれている可能性があります。
安いというだけで即決せず、現地で実際の土地を確認してくださいね。
安い土地を探している方は、法地のある土地を検討してみるもの1つの手段です。
建物を建てる充分な広さがあるのであれば、多少の法地は気にならないかもしれません。
しかし、法地にはいくつかの注意点があります。
法地の土地を購入する際は、必ず注意点を押さえておきましょう。
法地の土地を購入する注意点とは?
法地の土地を購入する際は、いくつかの注意点を押さえておくことが大切です。
購入後に後悔することがないよう、事前に注意点を確認しておきましょう。
擁壁が必要になる
法地の最大の注意点は、擁壁が必要になることです。
擁壁には、法地から土砂が流れてこないよう防ぐ役割があります。
コンクリートで固めたものや、ブロックタイプなど、擁壁にも種類があるので覚えておきましょう。
擁壁は劣化する
法地に擁壁があるからといって、安心してはいけません。
建物と同じように、擁壁は劣化していくものです。
そのため擁壁には建築確認検査が義務付けられています。
しかし、検査が義務付けられているのは2m以上の擁壁のみ。
つまり、低い擁壁には検査の義務がありません。
高い擁壁のほうが危険度が高そうに感じますが、実は低い擁壁こそ劣化のチェックが大切なのです。
もし擁壁が劣化していた場合には、補強工事が必要になり追加の費用が発生します。
擁壁のチェックポイント①亀裂が入っていないか
擁壁をチェックする際は、亀裂部分がないかよく確認しましょう。
亀裂が入っていた場合は、擁壁が劣化している証拠です。
追加の補強工事が必要になるか、専門家に相談する必要があります。
擁壁がすでにある法地の場合、補強工事の費用を忘れがちです。
法地のため土地自体は安いですが、このような別途費用をしっかり計算して購入を検討しましょう。
擁壁のチェックポイント②水抜きの穴はあるか
擁壁にある水抜き穴は、大切な役割を担っています。
盛土の地盤が弱いのは、先ほどもご説明したとおりです。
そんな盛土に雨が降ると、地盤はさらに弱くなってしまいますよね。
もし擁壁に水抜き穴が付いていれば、土の中の水分量を調整して地盤の強度を保ちやすくしてくれるのです。
仮に水抜き穴が付いていない場合、盛土に含まれた水分で擁壁への負担も大きくなります。
結果として、擁壁に亀裂が入る原因になってしまうでしょう。
地盤の強度を保ち、擁壁の劣化を防ぐためにも、水抜き穴が付いているかチェックすることは重要なポイントです。
せっかく水抜き穴が付いていても、土や草が埋まっていて機能していない場合もあります。
しっかり機能された水抜き穴なのか、合わせて確認しておきましょう。
土地の価値が低くなりやすい
法地の注意点は、土地の価値が低くなるリスクがあることです。
土地の価値は、駅までの距離や日当たりの良さ、土地の形状などさまざまな要点を踏まえて計算されます。
傾斜がある法地は、一般的な需要が低くなるため、土地の価値も下がりやすいのです。
売却時に買い手が見つかりづらい可能性も
売却時には、買い手が見つかりづらい可能性があります。
そのため、日当たりの良さなどを上手くアピールする必要があるでしょう。
他にも、住宅ローンの審査が厳しくなったり、借り入れ可能額が小さくなったりするリスクがあるので覚えておきましょう。
まとめ
宅地として使用できない法地は、擁壁が必要になるなど、いくつかの注意点があります。
工夫して利用しないと有効面積が減ることになるので、土地に法地が含まれているのか事前に確認しておくことが大切です。
土地を購入する際は、広告だけを見るのではなく実際に足を運んで、土地の様子を確認しておきましょう。
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