不動産を購入すると、「登録免許税」という税金が発生しますが、一体いつ必要となり、いくらかかるのかご存じですか?
また、条件を満たした場合は、軽減措置が受けられるため、購入前に理解しておくことをおすすめします。
そこで今回は、不動産登記における登録免許税についてご説明したうえで、税率や軽減措置についても解説します。
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不動産登記や登録免許税は、よく聞く言葉ですがどのようなものかご存じですか。
不動産登記とは
不動産登記とは、所有している不動産の「物理的状況」や「権利関係」について「登記簿」に記載する手続きのことです。
物理的状況とは、所在地や面積、用途などのことで、権利関係とは、所有者名や抵当権設定の有無などを指します。
また、登記簿とは、法務局が管理する公的な帳簿のことを言います。
新築や未登記の土地・建物を取得した際は、新たに所有権を設定するための「保存登記」が必要です。
土地や中古住宅を購入した際は、前の所有者から所有権を移転する「移転登記」をおこないます。
登録免許税とは
登録免許税とは、不動産の所有権や抵当権を登録する際に納める国税のことです。
原則として現金で納付し、その際の領収証書を申請書に貼付します。
このときの税額が、3万円以下であれば印紙として納付することも可能です。
法務局で所有権を記録することで、所有者であることを証明することができます。
登録された情報は、「登記簿謄本」を取得することで閲覧可能です。
登記簿謄本とは、登記簿のコピーのことで、法務局の印鑑が押されているため、公の証明書となります。
この証明書は誰でも取得可能で、所在地や面積、所有者、借金の担保かどうかまで確認することができます。
窓口で交付請求した場合の手数料は1通600円程度です。
また、手続きに関しては専門的な知識を要するため、一連の手続きを司法書士に依頼するのが一般的です。
その際はとくにすることはありませんが、その代わり司法書士に対し手数料を支払わなければなりません。
手数料は、司法書士が自由に料金設定できるため、事務所によって異なりますが、5万〜10万円程度が相場です。
そのため、費用には登録免許税以外にも、司法書士手数料がかかるという点に注意しておきましょう。
不動産登記における登録免許税の税率とは
税額を求める場合は、「登録免許税額=固定資産税評価額×税率」の計算式によって算出することができます。
固定資産税評価額とは、固定資産税の基準となる金額のことで、各市町村が3年に1度見直しをおこない算出しています。
土地は毎年1月1日時点の時価公示価格の70%程度で、建物は再建築価格の50〜70%程度、または新築工事にかかった費用の50〜60%程度が一般的な目安です。
また、新築で固定資産税評価額がついていない場合は、法務局が定める基準価格により求められます。
税率とは
税率は登記の種類により異なります。
土地の場合は2種類あり、売買による所有権の移転の税率は2.0%、相続による移転の場合は0.4%です。
住宅には3種類あり、新築を取得した際の所有権の保存の税率は0.4%、売買により中古住宅を取得した場合は2.0%、相続により移転した場合は0.4%となります。
また、住宅ローンを借り入れる際の抵当権の設定の税率は0.4%です。
所有権保存とは、所有権が登記されていない不動産に対し、最初におこなわられる手続きのことです。
所有権移転とは、すでに所有権がある不動産に対し、売主から買主に移転するための手続きのことで、抵当権設定とは金融機関が担保権の設定をするためにおこなう手続きを言います。
計算シミュレーション
固定資産税評価額が2,000万円の土地を購入した際の登録免許税を実際に計算してみましょう。
固定資産税評価額2,000万円×税率2.0%=40万円となります。
また、上記条件にくわえ、500万円の住宅を取得した場合は500万円×2.0%=10万円となり、土地と建物で計50万円の登録免許税が課せられます。
不動産登記における登録免許税の軽減措置とは
登録免許税の税率は、種類ごとに決められていますが、所有権の保存・移転には軽減税率の特例を受けることが可能です。
ここでは、住宅用の軽減措置についてご紹介していきます。
住宅用家屋の所有権の保存・移転
新築住宅による保存の本則の税率は0.4%でしたが、軽減措置を受けると0.15%に軽減されます。
適用条件は、「自己居住用の住宅である」「新築または取得後1年以内に登記している」「床面積50㎡以上」となり、これらを満たせば適用可能です。
また、中古住宅による移転の本則税率は2.0%でしたが、軽減措置を受けると0.3%に軽減されます。
適用条件は、「自己居住用の住宅である」「取得後1年以内に登記している」「マンションなどの耐火建築物は25年以内、木造など耐火建築物以外は20年以内に建築されたもの・超える場合は新耐震基準に適合していることが証明されたもの・既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のもの」「床面積が50㎡以上」となり、これらを満たすことが必要です。
これらの軽減措置の適用期限は、令和6年3月31日までとなっております。
住宅取得資金の貸付けによる抵当権の設定
抵当権の設定の本則の税率は0.4%でしたが、軽減措置を受けると0.1%に軽減されます。
適用条件は、「上記の保存や移転の条件を満たした住宅への抵当権であること」とされています。
軽減措置の適用期限は、同じく令和6年3月31日までです。
上記では、一般住宅の軽減税率についてお伝えしましたが、省エネ住宅の場合はさらなる軽減措置が受けられます。
そこで、特定の住宅用家屋の軽減措置についてご紹介します。
特定認定長期優良住宅
長期優良住宅とは、長期にわたって良好な状態で住むことができると認定された住宅のことを言います。
省エネ性やバリアフリー性、耐震性などに一定の基準が定められているのが特徴です。
登録免許税だけでなく、固定資産税や取得税、さらに住宅ローンの金利が優遇されるなど、たくさんのメリットがあります。
所有権の保存の場合は本則0.4%、一般住宅0.15%でしたが、特定住宅の場合は0.1%に軽減されます。
また、所有権の移転の場合は本則2.0%、一般住宅0.3%でしたが、特定住宅の場合はマンションで0.1%、戸建て住宅で0.2%と、さらなる軽減措置を受けることが可能です。
適用条件は、「認定長期優良住宅に該当する住宅用家屋である」かつ「新築または建築後未使用である」「自己居住用の家屋である」「床面積50㎡以上」となります。
認定低炭素住宅
低酸素住宅とは、一定の基準をクリアした、高い省エネ性能が備わった住宅のことを言います。
上記の長期優良住宅と同様に、さまざまな優遇措置が設けられているためメリットも大きいでしょう。
所有権の保存・移転ともに、特定住宅の軽減税率は0.1%となります。
適用条件は、「低酸素建築物に該当する住宅用家屋である」かつ「新築または建築後未使用である」「自己居住用の家屋である」「床面積50㎡以上」です。
これらの軽減措置の適用期限は、令和6年3月31日までとなります。
まとめ
登録免許税は、不動産を登録する際に納める国税のことで、法務局でおこないます。
土地や中古住宅の売買による所有権移転の税率は2.0%、相続の場合は0.4%、新築を取得した際の所有権保存の税率は0.4%です。
また、所有権の保存や移転には軽減措置があり、省エネ住宅の場合はさらなる軽減措置が受けられます。
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