中古マンションを比較的安く購入し、その分リノベーションで自分のライフスタイルに合った間取りや内装にするといった方が増えてきています。
ただ、その希望がすべて可能になるわけではなく、不可能であったり制限されたりということもあるわけです。
ではそのリノベーションに関しての注意点について、いくつかの視点から探っていきますので最後までご覧ください。
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中古マンションの購入を考えている方にとって気になるのが間取りですが、自分のライフスタイルに合った間取りではない場合はどうすればいいのでしょう。
もちろん、理想の間取りの物件が出るのを待つのも良いですが、そうそう都合よくあるわけではなく、立地や価格などを総合して考えると間取りの部分で妥協することもあります。
ただ1つの方法としてリノベーションがあり、これにより既存の間取りを変更して自分の希望する部屋の作りに変えることができるわけです。
ただこのリノベーションにも注意点があり、その中古マンションの構造によっては工事ができなかったり、間取りの変更が限られたりする可能性があります。
この構造には大きく分けて「ラーメン構造」と「壁式構造」とがあり、それぞれに特性を持っていて、その特性により間取り変更の自由度が変わってきます。
ではまず「ラーメン構造」についてですが、これはドイツ語で「枠」「額縁」を意味する「Rahmen」が由来となっている言葉で、つまりは梁と柱で枠組みを作った構造のことです。
梁と柱を組んで、そこに壁や床を張り付けるというこの工法は、鉄筋コンクリート造のマンションによく使われていて、梁と柱の結合部を固定することで耐震性を高めています。
このラーメン構造は柱と梁で支えていますので、基本的に壁を取り外したり移動したりすることができますので、大掛かりな間取りの変更ができるのが特徴です。
次に「壁式構造」ですが、こちらは梁や柱ではなく壁によって建物を支える構造のもののことで、この壁のことを構造壁や耐力壁と言い、分厚く丈夫なものになっています。
つまり壁で構成される造ですので、柱や梁がなくすっきりとした空間になるのが特徴で部屋の隅々まで無駄なく使うことができるのがメリットでしょう。
ただ構造壁で支えているため、その壁を撤去することができず、つまり間取り変更の自由度から言えばかなり制限されることになります。
そのため構造上問題のないボードで作られている壁の撤去によるリノベーションや、キッチンやお風呂といった構造に影響のない範囲内で変更は可能です。
ラーメン構造か壁式構造かの見分け方ですが、間取り図を見て室内に柱による出っ張りがあればラーメン構造のことが多く、ない場合は壁式構造と考えればいいでしょう。
中古マンションをリノベーションする際の配管部分
室内空間はクロスや床材を張り替えたりすることで、新築の雰囲気を作り出すことはできますが、実はその下にある配管部分も交換が必要な場合があるのです。
配管に使われている素材は建物が古くなるほど金属製のものが使われていることが多く、つまり経年劣化によるサビや腐食の心配があります。
そのためそういった配管を通ってくる水道は、いくら元がきれいなものであっても、水質に影響が出ますし、水圧の面でも不安定となります。
また接続部分からの漏水や、配管自体に亀裂が入ったりして大規模な水漏れが起こることもありますので、リノベーションの際はこの配管についても調べる必要があるのです。
配管の寿命としては種類によって違いがあり、鉄や銅といった金属製のものであれば20年が目安で、ステンレスやポリエチレンであれば30年以上となります。
ただ最近の住宅には金属製のものは使われていませんので、中古マンションの場合の配管寿命は約30年と考え、築年数を見てその寿命を判断してください。
良質な施工がなされている鉄筋コンクリート製のマンションは、100年とも言われる寿命を誇りますが、配管部分まで100年持つわけではありません。
高経年マンションのリノベーションの際の注意点としては、配管部分まで必ず確認をして、工事の効率を考えたうえで、リノベーションと一緒に交換や修繕をおすすめします。
ではこの配管工事ですが、たとえば購入後に重大な欠陥を発見した場合は、契約不適合責任といって売主に対してその損賠賠償を請求できます。
ただ売買契約を結ぶ前の時点で、契約書をよく確認し、もしもの場合の責任の所在をどこにするのかを明確にしておくことで後々のトラブル回避にもつながるわけです。
配管は給水部分と排水部分とに分かれ、マンションにおいては給水部分の給湯管は専有部分、それ以外は共有部分と専有部分ともに通っている構造となっています。
この専有部分での交換は、契約不適合責任の範囲外であれば自己負担となり、共有部分では入居者が出し合っている修繕費での費用負担となります。
ではその配管工事の費用ですが、一部の交換や修理であれば15,000円程度、配管をすべて交換となると10〜50万円というのを目安にしてください。
また工事に伴って床や壁などの解体や設備の移動などがあれば、もっと大きな額になることもありますので、必ず見積もりを取るようにしましょう。
リノベーションできない中古マンションについての注意点
中古マンションのリノベーションの盲点として、専有部分のみが対象で共有部分は手をつけてならないということはあまり知られてはいません。
その共有部分ですが、専用部分と思われがちですが、実はバルコニーや専用庭は共有部分となっていますのでリノベーションの対象から外さなければいけません。
他にも給水管や排水管を通すため、配管を壁で覆ったパイプスペースや玄関のドア、そして窓枠であるサッシなども共有部分となります。
つまり間取りや雰囲気を変えたいと言って、パイプスペースの移動やサッシの交換、玄関ドアの交換をしようと思ってもそれはできないのです。
ただサッシについてはほとんどのマンションで交換不可となっていますが、防音性や気密性を高めるための内窓をつけるのは可能です。
中古マンションの契約時の注意点の一つとしては、管理規約をよく確認しておくことで、ここにリフォームに関しての禁止項目が記載されていることがあります。
たとえば畳式の和室をフローリング仕様の洋室にしようと思っていても、規約により吸音性の問題からフローリング不可になっているケースもあるのです。
ほかにも住宅ローンの利用を断られることもあり、その場合はリフォームローンで対応することになりますが、このローンは金利が高く設定されていますので注意が必要です。
契約の前には住宅診断をおこなうのが通例ですが、これをせずリノベーション工事を始めると場合によっては壁などに腐食部分が見つかり工事を断念するケースもあります。
キッチンの移動に関してですが、排水勾配がとれる範囲内であれば可能となり、ただ配管が下の階の天井に配置されている場合はできません。
まとめ
中古マンションを購入してリノベーションをおこなう場合、そこにはいくつかの注意点があります。
その注意点を把握せず購入してしまうと、希望通りのリノベーションができないといったケースも考えられるわけです。
規約の確認や住宅診断をおこない、どういった範囲内で工事ができるのかをしっかりと確認してください。
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