住宅を購入する際は、多くの方が住宅ローンを利用します。
住宅ローンの返済方法には、2つの種類があり、どちらを選択するかによって返済額が異なります。
そのため、それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った方法を選択しなければなりません。
そこで今回は、住宅ローンの返済方法を徹底比較し、元利均等返済と元金均等返済についても解説します。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら住宅ローンの返済方法①元利均等返済
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
住宅ローンの月々の支払金額は、元金と利息が組み合わさったものになります。
元金を支払った金額に対して、ローンの残高も減少するという仕組みです。
ここでは、元利均等返済について解説します。
元利均等返済とは、借り入れた元金と、その利息を合わせた額を均等にした返済方法です。
そのため、毎月の返済額が常に同じ金額になります。
また、金利タイプが変動金利だった場合、返済額は5年ごとに変動しますが、増加する場合は増加幅を25%以内に抑えるというルールがあります。
元利均等返済のメリット
元利均等返済のメリットを2つご紹介します。
1つ目は、返済計画が立てやすい点です。
1か月目の返済額も10年後の返済額も同じ金額であるため、返済計画が立てやすくなります。
変動金利を選択し、金利上昇が起こった場合でも、増加幅の上限が決められているため、リスクを抑えることができます。
2つ目は、返済開始時の金額を少なくすることができる点です。
返済額が一定であるため、返済開始時にまとまったお金も必要ありません。
元利均等返済のデメリット
上記では、魅力的なメリットをご紹介しましたが、ここでは気を付けていただきたいデメリットを2つご紹介します。
1つ目は、借り入れ残高の減少が遅い点です。
返済金額は変わりませんが、元金と利息の割合は毎月変化しています。
ローン返済の開始時では、元金の割合は小さく、利息の割合が大きいのが特徴です。
したがって、元金部分の減少が遅くなるという点に注意しなければなりません。
2つ目は、総返済額が多くなる点です。
元金部分の減少が遅いため、結果的に総返済額が多くなってしまいます。
しかし、住宅ローンの繰り上げ返済を活用することで、元金が減るため、毎月の支払額を減少させることも可能になります。
そのため、自己資金に余裕ができた際は繰り上げ返済を活用し、返済期間を短くするのがおすすめです。
なお、計画的に貯金をしてローンを返済したい方や、子どもの教育費や資金が必要な方には、元利均等返済をおすすめします。
住宅ローンの返済方法②元金均等返済
続いて、元金均等返済について解説します。
元金均等返済とは、元金のみを均等に割り、利息は残高分を上乗せするという返済方法です。
元金均等返済のメリット
元金均等返済のメリットを2つご紹介します。
1つ目は、返済が進むごとに返済額が少なくなる点です。
元金部分は毎月一定額ですが、利息部分は残高に比例してるため、返済が進むにつれ毎月の返済額は減少していきます。
2つ目は、元金の減少が早く、総返済額が少なくなる点です。
元金部分の返済スピードが早いため、返済総額も抑えることができます。
固定金利を選ぶと、完済までの返済負担を軽減することができるのもメリットのひとつです。
元金均等返済のデメリット
次に、気を付けていただきたいデメリットをご紹介します。
最大のデメリットは、返済開始時の返済額が高く負担がかかる点です。
借り入れ時点での返済負担が大きいため、ローンの審査基準の年収も高い傾向にあります。
しかし、少しでも支払期間を短縮し、総返済額を抑えたいと考えている方には、おすすめの方法です。
子どもの教育費などによる支出のピークを過ぎた、家計に余裕のある世帯では検討してみても良いでしょう。
また、ローン審査はひと月目の支払額に基づき審査がおこなわれるため、融資の限度額が減少してしまう可能性もあります。
それを踏まえたうえで、総返済額を抑えたいという方は、元金均等返済を選択することで将来への支出を抑えることができるでしょう。
住宅ローンの返済方法2種類を徹底比較
上記のメリットとデメリットを踏まえて、それぞれの返済額を比較してみましょう。
条件は、借り入れ額が2,000万円、年1.5%の固定金利、借り入れ期間は30年、ボーナス返済はなしとします。
それでは実際に、シミュレーションしてみましょう。
元利均等返済の場合
まずは、元利均等返済から見ていきましょう。
1年目の月々の返済額は6万9,024円、うち元金部分が4万4,634円で64.7%を占め、利息部分が2万4,390円で35.3%を占めています。
この時点での借り入れ残高は1,946万8,058円です。
5年目の月々の返済額は6万9,024円、うち元金部分が4万7,392円で68.7%を占め、利息部分が2万1,632円で31.3%を占めています。
この時点での借り入れ残高は1,725万8,727円です。
10年目の月々の返済額は6万9,024円、うち元金部分が5万1,081円で74.0%を占め、利息部分が1万7,943円で26.0%を占めています。
この時点での借り入れ残高は1,430万4,092円です。
20年目の月々の返済額は6万9,024円、うち元金部分が5万9,342円で86.0%を占め、利息部分が9,682円で14.0%を占めています。
この時点での借り入れ残高は768万7,015円です。
30年で完済したときの総返済額は2,484万8,426円で、うち元金部分が2,000万円、支払利息総額が484万8,426円となります。
元金均等返済の場合
続いて、元金均等返済を見ていきましょう。
1年目の月々の返済額は7万9,791円、うち元金部分が5万5,555円で69.6%を占め、利息部分が2万4,236円で30.4%を占めています。
この時点での借り入れ残高は1,933万3,340円です。
5年目の月々の返済額は7万6,457円、うち元金部分が5万5,555円で72.7%を占め、利息部分が2万902円で27.3%を占めています。
この時点での借り入れ残高は1,666万6,700円です。
10年目の月々の返済額は7万2,291円、うち元金部分が5万5,555円で76.8%を占め、利息部分が1万6,736円で23.2%を占めています。
この時点での借り入れ残高は1,333万3,400円です。
20年目の月々の返済額は6万3,957円、うち元金部分が5万5,555円で86.9%を占め、利息部分が8,402円で13.1%を占めています。
この時点での借り入れ残高は666万6,800円です。
30年で完済したときの総返済額は2,451万2,368円で、うち元金部分が2,000万円、支払利息総額が451万2,368円となります。
データを比較
上記のデータを比較してみると、同じ借り入れで同じ借り入れ期間であるにも関わらず、支払利息総額は33万6,058円の差が出ていることがわかります。
これが、元利均等返済と元金均等返済の大きな違いです。
住宅ローンを検討する際は、毎月の返済額に無理が生じていないかを確認したうえで選ぶことが重要です。
まとめ
元利均等返済とは、借り入れ元金と利息を合わせた額を均等に返す返済方法で、返済計画が立てやすくなることが特長です。
一方、元金均等返済とは、元金のみを均等に割る返済方法であるため、元金の減りが早い点がメリットです。
それぞれを比較すると、支払利息総額に差が生じるため、総返済額もその分異なります。
\お気軽にご相談ください!/
弊社へのお問い合わせはこちら