いま、住宅の建築費が急激に上昇しているのをご存じでしょうか?
近年は、人手不足や物価高騰などが原因で住宅の建築費用が今までよりもずっと高くなっています。
これから、住宅を建てる方にとって住宅の建築費用は非常に重要なポイントとなるので、なぜ費用が高騰しているのか?また、この高騰はいつまで続くか知っておく必要があります。
この記事では、建築費が高騰している理由と、この高騰がいつまで続くのか解説していくのでぜひ参考にしてください。
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弊社へのお問い合わせはこちら住宅の建築費用は過去10年でどれくらい高騰しているのか?
住宅の建築費が高騰していると言いましたが、具体的にどれくらい価格が高騰しているのでしょうか?
過去10年の価格推移をもとに解説していくので、一緒に見ていきましょう。
建築費指数
建築費の高騰を見るには、建築費指数という数値を見るのが一般的です。
建築費指数とは、建築にかかる費用の価格動向を数値化したものの総称で、物価指数のひとつとされるものです。
この指数は、建築物価調査会が算出しているもので、「建築物価」「建築コスト」「材料物価」などをもとに作られています。
どれくらい価格が上昇しているのか?
まず、集合住宅(RC造り)の建築費指数の推移を見ていきましょう。
集合住宅(RC造り)の建築にかかるコストは、2011年の指数をベース(100)として見た場合、10年間で1.35倍ほどの上昇をしています。
指数の推移としては、2011年から2015年まで毎年3〜4%ほどずつ上昇し、その後2年間横ばいの推移が続いたあとに再び上昇を始め、2018年から3年半ほどで今の水準まで上昇しました。
この指数の推移は、木造住宅の建築コスト指数でも同様の動きが見られています。
指数の上昇幅としては、木造住宅の方がやや上回っており2011年をベースとした場合、10年間で約1.4倍となっています。
これらの指数を見てわかるとおり、ここ10年間で約30%〜40%の上昇をしていることがわかるでしょう。
住宅の建築費が高騰している理由
続いて住宅の建築費が高騰した理由を紹介していきます。
建築業界の人手不足
建築費用が高騰している理由のひとつとして、建築作業員の不足と作業員の高齢化が挙げられます。
総務省統計局の情報によると、2014年には510万人いた作業員は2021年時点で498万人まで減少しており、ここ7年間で12万人の減少をしていることが見て取れます。
他の業界は、作業員の増加もしくは微減でとどめているなかで、建築業界のみが大きく作業員が減っているので、建築費が高騰するのも当然と言えるでしょう。
ただ、建築業界では作業員の減少だけでなく高齢化も問題となっているのです。
建築業界では、作業員の高齢化が進んでおり、29歳以下の作業員の数は全体の1割未満だと言われており、10代の作業員になるとさらに人数が少なくなると言われています。
作業員の人口減少はもちろん、新しく入ってくる新卒作業員の減少も大きな原因となっているのです。
東日本大震災
2011年に起きた東日本大震災も建築業界の人手不足に大きな影響を与えました。
地震発生後は、東北周辺だけでなく関東や関西から作業員が派遣され、多くの作業員が復興作業に取り組みました。
しかし、この時点ですでに人出不足が深刻化していたため、派遣された作業員がいるはずの東北でも人手不足状態だったと言われています。
また、このときは作業員が大勢いるはずの大手ゼネコンですらも人手不足だったため、竣工を遅らせる問い合わせが殺到していたとも言われています。
公共事業の増加
2013年に掲げられたアベノミクスでの公共事業拡大も大きな原因となっています。
それまでは、公共工事の規模を縮小する方針をとっていた政府ですが、アベノミクスによって公共工事を増やしたことで、今まで以上に建築業界の人手不足が加速しました。
建設需要
東日本大震災の災害の爪痕が残った状態で、開催が決まったのが東京オリンピックです。
この東京オリンピックの開催決定に伴い、再び膨大な建設需要が発生しました。
ただでさえ人手不足が深刻化しているのに、次から次に建築需要が発生することで建築業界は慢性的な人手不足状態が続くことになります。
コロナ禍
建築に必要な木材が、コロナの影響で高騰したことも建築費上昇の原因となりました。
米国では、コロナになったことでリモートワークが急速に進み自宅で過ごす人が急増しました。
ここに、コロナ禍におこなわれた金融政策の影響が加わったことで、新規で住宅を建てたりリモートワーク用に住宅を建てる人が急増したのです。
そして、この動きがコロナが一時的に落ち着いた2020年5月に集中したため、木材価格が一気に急騰しました。
ロシア産木材の減少
ロシア・ウクライナ戦争の影響も建築費高騰に影響しています。
戦争によってロシア産の木材が入手できなくなり、国内では木材供給が足りなくなっているのです。
米国で起きた住宅需要の急増と、ロシア産の木材が入手できなくなったことで、建築業界では木材不足となっています。
これにより建具全般の価格が上昇し、建築費高騰につながっているのです。
住宅の建築費高騰は今後どこまで続く?
これから住宅を建てようと考えている人は、この建築飛行とがどこまで続くのか気になるところでしょう。
今後の建築費用の推移について解説していくので、ぜひ参考にしてください。
改善しない人手不足
今後、日本は少子化がさらに進んでいくと考えられるので、建築業界での慢性的な人手不足は改善しないでしょう。
そして、人手不足が改善しない限り建築にかかる人件費が減少することはないので、今後も高い水準を維持していくと考えられます。
また、今後さらに人手が不足していくようであれば、今よりさらに費用が増加していくことでしょう。
そのため、人件費の観点で見た場合は、できるだけ早めに住宅を建築するのをオススメします。
材料の高騰
材料の高騰は今後も続いていくことが予想できます。
米国では、住宅の建築需要がピーク時を超えたいまでも一定数の建築依頼があるため、当分は木材の価格が安くなることはないでしょう。
また、コロナ禍に出てきた建築需要以前に、米国では慢性的な住宅不足が続いているので、木材含め材料の価格が減少していくことは考えにくい状態です。
もちろん、長期間待てるのであれば材料費の高騰も落ち着くかもしれませんが、その頃には国内の人手不足がさらに深刻化している可能性もあります。
そのため、材料費が下がったとしても結果として支払う金額が変わらないことも十分にあり得ることなのです。
先に伸ばしに材料や人材が確保できなくなる可能性もあるので、こういったリスクも頭に入れて住宅の購入を検討してください。
半導体の不足
ここまでは、住宅の建具に関する材料の話をしてきましたが、半導体不足についても考えなければいけません。
半導体は、照明器具やIHキッチンなどを作るうえで欠かせない材料のひとつで、いま世界中で半導体が不足しています。
そのため、今後は今以上に価格が高騰することが懸念されています。
木材などの材料にくわえて半導体の値段まで上がってしまうと、さらに建築費用がかかってくるので、費用を抑えたい方はできるだけ早めに建築をするのがオススメと言えるでしょう。
まとめ
住宅の建築費用が高騰している理由と今後の見通しについて解説しました。
材料費の高騰や人件費の高騰は今後も続いていくと考えられるので、資金に余裕がある方は早めに住宅購入の準備を進めてください。
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